前回の記事で可変レバレッジド・ポートフォリオの概要を紹介しましたが、今回は私が実際に2018年5月から運用している状況を報告します。前回書いたとおり、運用しているのは同ポートフォリオの「リスク高」、SPXL:TMF:BNDを4:3:3で保有するポートフォリオです。
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運用中のポートフォリオ
実際にはこちらに少し色を付けて、同じレバレッジ3倍ETFである「Direxion デイリー ヘルスケア株 ブル3倍 ETF (CURE)」も追加して運用しております。
実際の運用バランスは、下記のとおりです。
1月頭にリバランスしたばかりなので、上記はほぼ目標比率に近い状態です。元々の4:3:3のポートフォリオに、7%ほどCUREが入っている状態です。
現状ではCUREはあまりリバランスの対象とはしておらず、遊びみたいなものですが、一応ポートフォリオに含めて考えます。
リバランスについて
さて、こちらは随時追加投資やリバランスを行っているのですが、リバランスについては基本的に以下の方針で行っています。
1)おおよそ3か月に1回はリバランスを行う
2)予定時期でなくても、割合の乖離が10%を超えたらリバランスを行う
1)についてはROKOHOUSEさんでも推奨されていた通りです。
2)は、やはり3倍ブルは値動きが激しいので、3か月ごとを単純に守っていると割合が開きすぎて、成果に悪影響が出ると思われたからです。コロナショックを初めとして、暴落と言われた値動きの時期には、何度かこれに該当するときが発生しました。
基準価額をS&P500と比較
リバランスしても投資成果を正しく判定できるように、自分なりの基準価額を設定しています。これは運用開始した2018年5月を100ドルとして、同じ元本あたりの価格を算出しています。
比較対象として、同様に2018年5月を100ドルとした場合のS&P500(SPY)の値動きと比べてみました。青い線が当ポートフォリオ、赤い線がS&P500です。
2021年1月現在の当ポートフォリオの基準価額は、142.12ドルです。約2年半の運用で42%の成果。これが安定的に続けばかなり優秀な運用ですが・・・
これは運用中のETFだけの価格ではなく、リバランス等の際に出た現金(ドル)部分も含めた基準価額としています。リバランスをする際に、時期によっては多少現金比率を増やしたり減らしたりしています。これを含めての運用成果ということです。
ポートフォリオ投資成果の分析
2019年後半~2020年前半にかけては、当ポートフォリオがS&P500をアウトパフォームしていますが、20年後半からはその差が縮まっていますね。
これは恐らく、2020年3月のコロナショック以降の運用の仕方が影響していると思われます。上記のグラフを見ていただくと、20年3月~6月までの当ポートフォリオの基準価額が、ほぼ水平になっているのが見て取れると思います。
実をいうと、2月終わりから3月初めにかけて現金比率を高め、3月前半までには一度全額を現金化して運用から撤退したためです。いわゆるセリングクライマックスを迎える前に撤退をしました。
その後様子を見ながら3か月半ほどは全額現金(米ドル)のままで保有していたために、この部分の基準価額の動きが無いというわけです。
S&P500のほうも上記グラフは月次の価格となっていますので、セリングクライマックスの深い谷は反映されていません。それでも4月~6月にかけては、徐々に値を戻しています。当ポートフォリオではこの期間中運用を辞めていたため、今から考えれば機会逸失したということになります。
その後7月から再び運用再開し、ここからはS&P500と近い値動きになっています。ただここでもある程度の現金(50~60ドルほど)は確保しつつの運用でしたので、2月以前よりはリスク資産の比率が下がっています。
今後について
さて、ここからどのようになっていくでしょうか。
最近はS&P500の基準価額に近づいてしまいましたので、ここでまた暴落が起これば、当ポートフォリオのほうがアンダーパフォームするかも知れません。
いずれにせよ、ここからはこのポートフォリオには当面追加投資は行わず、今投下中の資金の枠内でリバランスや現金比率調整を行いながら、運用は続けていきたいと思います。米国の金利が上がれば少し考え直す必要があるかも知れませんが、今のところそれは当面先かなと考えています。まだコロナ禍の渦中ですから、FRBの量的緩和が終了する兆しは無さそうです。注視は必要ですが。
今後もリバランスするたびに、こちらで運用状況や基準価額のレポートを行いたいと思います。